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2008年6月 8日 (日)

曽根富美子「この星のぬくもり 自閉症児のみつめる世界」ベネッセ、1997

取材協力、森口奈緒美(変光星-ある自閉症者の少女期の回想、飛鳥新社)
 自閉症者=森口氏の手記を参考に描かれた漫画である。オッパイの吸い付きが悪い赤ちゃん愛里、その幼児期、小学校、高校までを描く。愛里は幼児期にはしゃべらないが、漫画の吹き出しには、自閉症児がどのように回りの世界を捉えているかが書いてある。自閉症者が見たり聞いたりしている世界、その受け止め方を知ることができる。紹介される絵ピーソードは、他の自閉症児の親の手記や講演で聞いたことがある事項とつながる。
 幼児期、言葉がしゃべれないのにカラスの鳴き真似をする場面、大江健三郎氏の随筆に、息子光君が最初にしゃべった言葉が、鳥の鳴き声を聴いて「これはクイナです」であったこと。自閉症児と鳥の声とは、いろいろエピソードがありそうだ。
 行動訓練で集団行動ができるようになったが、家でパニックになり、その時初めて母の胸の中で泣いた愛里がそれ以降に母を認知し、物を投げることがなくなった場面、Y氏の息子さんが、一人下校の練習で、初めて家まで一人で帰ったそのとたんに大泣きして、それ以降に情緒が豊になったこと。自閉症児はあまり泣かないが、泣くことで情緒さ育つ、あるいは情緒がそだつことで泣くようになる、といったことがあるのかもしれない。
 後半、アスペルガータイプ、高機能自閉症と描かれているが、幼児期・小学校時代はそのようには見えない描き方である。幼児期に言葉がない自閉症児が、成長にともない高機能自閉症となることがあるとの誤解を生まないか、少々心配な気がする描き方となっている。

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コメント

小生の大学の教職課程では、「介護等体験事前ガイダンス」に、特別支援教育現場の先生をお招きして、ご講義をお願いしています。コミック「光とともに」に描かれている「教師」のモデルの一人になっている方です。私の「教え子」でもあるのですが。その先生は「自閉症児」の教育を事例にして、もちろん先生の実践をコアにして、学生たちにとても素敵な「人間」を語ってくれています。

「光とともに」はいい本です。光君の進級に伴い、教師がかわり、その過程で自閉症児の特性に合わせた教育方法を分かりやすく描いています。きっと現場のエピソードを提供する人がおられることと思って読んでいました。

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